健康情報

【保健師が解説】「太っている」と「肥満」は違う?メタボリック症候群との関係

おはようございます。ぽっちゃり保健師のMIKEです。

保健指導をしていて、太っているということと、肥満の違いについて
知らない方が多いなと感じました。
それを認識しないと、辛いダイエットをしてしまう方や、
逆にダイエットをしなくてはいけない状態というのを正しく理解できなくなります。
本日はその違いについて解説いたします。

1. 「太っている」と「肥満」の違い

日常会話では「太っている」と「肥満」を同じ意味で使うことがありますが、
保健指導の現場ではこの2つは明確に区別します。

用語 定義の目安 評価基準
太っている 見た目や自己評価で「体脂肪が多そう」 主観的
肥満 医学的にBMI(体格指数)が25以上 客観的・数値評価

BMIの計算式

BMI=体重(kg)(身長(m))2BMI = \frac{\text{体重(kg)}}{(\text{身長(m)})^2}

例:身長170cm、体重72kg → BMI = 72 ÷ (1.7 × 1.7) = 24.9(肥満手前)

保健師の視点では、「太っているかどうか」よりも肥満の程度や健康リスクを重視します。


2. 肥満とメタボリック症候群の関係

肥満は、体脂肪が過剰に蓄積した状態。特に内臓周囲に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」は、メタボリック症候群の発症に直結します。

メタボリック症候群の診断基準(日本内科学会)

  • 必須条件:ウエスト周囲径

    • 男性:85cm以上

    • 女性:90cm以上

  • 追加条件(2つ以上該当)

    1. 中性脂肪150mg/dL以上 or HDLコレステロール40mg/dL未満

    2. 血圧130/85mmHg以上

    3. 空腹時血糖110mg/dL以上

つまり、見た目がスリムでも内臓脂肪が多ければメタボ予備軍になり得ます。


3. 保健師が現場でよく伝えるポイント

  1. 数字で自己管理

    • 体重だけでなく、BMI・ウエスト径・血圧・血糖・脂質のチェックを。

  2. 「太っている=不健康」ではないが、肥満は健康リスク

    • 体格が大きくても筋肉量が多ければ問題ない場合も。

    • 逆に標準体型でも内臓脂肪が多ければ危険。

  3. 生活習慣がカギ

    • 栄養バランス・運動習慣・睡眠の質がリスク管理の中心。


4. まとめ

  • 太っている → 主観的・見た目ベース

  • 肥満 → BMI25以上の医学的状態

  • メタボリック症候群 → 肥満(特に内臓脂肪型)+生活習慣病リスク因子

  • 健康診断や特定保健指導では、数字でリスクを見える化することが重要

保健師として言えるのは、「見た目より中身(内臓脂肪と生活習慣)が大事」。
「太って見えないから大丈夫」と思っている方こそ、一度数値で自分の状態を確認してみてください。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA