「ランニングやウォーキングなどの有酸素運動でやせたのに、運動をやめたらすぐリバウンドした」という声は少なくありません。実はこれには医学的な理由があります。
1. 有酸素運動は筋肉を減らしやすい
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有酸素運動だけで長期間ダイエットをすると、脂肪だけでなく筋肉も一部失われます。
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筋肉は基礎代謝の維持に重要で、筋肉量が減ると1日の消費カロリーが減少します。
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その結果、以前と同じ食事量でも太りやすい体質に近づきます。
根拠
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アメリカスポーツ医学会(ACSM)や日本肥満学会の資料では、筋肉は体重の維持やエネルギー消費に欠かせないとされています。
2. 「省エネ体質」になる
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有酸素運動を続けると体は効率的にエネルギーを使うようになります。いわゆる「適応」です。
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同じ距離を走っても、慣れると消費カロリーが減っていきます。
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運動をやめても省エネ状態だけが残り、消費エネルギーが少ないまま食事を摂ると脂肪として蓄積しやすくなります。
根拠
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代謝適応(adaptive thermogenesis)と呼ばれ、減量時や運動習慣による代謝低下は複数の研究で報告されています。
3. 食欲のコントロールが難しい
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有酸素運動後はエネルギー不足を補うために食欲が増すことがあります。
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運動をやめても、習慣化した「食欲増加」だけが残ってしまう人もいます。
根拠
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ホルモン(グレリン、レプチンなど)の変化による食欲調節機能の乱れが報告されています。
4. 防ぐには?筋トレと組み合わせるのが最適
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有酸素運動だけではなく、**筋トレ(レジスタンストレーニング)**を組み合わせると、筋肉量を維持しながら脂肪を減らせます。
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食事面でも、タンパク質をしっかり摂ることが筋肉維持に役立ちます。
まとめ
有酸素運動は脂肪燃焼に効果的ですが、それだけに頼ると筋肉減少や代謝低下が起きやすく、運動をやめた後に太りやすい体質になってしまう可能性があります。
ポイントは「筋肉を守る」こと。筋トレや食事管理を併用し、リバウンドしにくい体作りを目指しましょう。