「痩せたい!」と思ったとき、多くの方はすぐに食事制限や運動に目を向けがちです。
でも実はその前に整えておきたい生活習慣の基盤があります。
ここを直さないまま無理にダイエットをしても、長続きせず、リバウンドや体調不良につながることも少なくありません。
今回は保健師の視点から、ダイエット前にまず整えたい3つの生活習慣をご紹介します。
禁煙 ― 代謝と血流を守ることがダイエットの第一歩
タバコはダイエットにとっても大敵です。
一時的に食欲を抑える作用があるため「禁煙すると太るのでは?」と不安に思う方もいますが、それ以上に深刻なのは代謝や血流を下げ、運動の効果を半減させることです。
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喫煙は血管を収縮させ、酸素が体に行き渡りにくくなる
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脂肪燃焼に必要な酸素供給が不足する
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運動しても効率よく脂肪が燃えない
つまり、禁煙は「体の燃焼力を取り戻す第一歩」と言えます。
節酒 ― カロリーカット以上にホルモンバランスが整う
アルコールは「エンプティカロリー」と呼ばれ、栄養がほとんどないのに高カロリー。
さらに肝臓はアルコールの分解を優先するため、脂肪の代謝が後回しになります。
また、飲酒は睡眠の質を下げ、翌日の食欲コントロールにも悪影響を与えます。
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毎日飲む習慣がある方は「休肝日を週2日以上」から始める
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これだけでも体重増加のスピードがゆるやかになる
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むくみやだるさの改善につながる
お酒を完全にやめなくても、節度ある飲み方がダイエット成功への近道です。
十分な睡眠 ― 食欲ホルモンの乱れを防ぐ
睡眠不足はダイエットの大敵。
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睡眠が短いと「食欲を増進するホルモン(グレリン)」が増える
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満腹感を伝える「レプチン」が減少する
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結果、甘いものや高カロリーな食べ物を欲しやすくなる
さらに、疲れが抜けないと運動のやる気も低下してしまいます。
成人の場合は1日7時間前後の睡眠が理想です。
「まずは寝る時間を確保する」ことが、食事制限や運動以上に効果的なダイエット対策になることもあります。
まとめ:痩せる前に整える
ダイエットを成功させるためには、
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禁煙
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節酒
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十分な睡眠
という生活習慣の基盤を整えることが第一歩です。
これらを土台にして初めて、食事や運動の工夫が効果を発揮します。
保健師としての現場経験でも、生活の基盤を整えた方はその後のダイエットが無理なく続きやすいと感じています。
“痩せる前に、まず整える”
これを意識するだけで、結果は大きく変わりますよ。